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人材確保の悩みを抱えている事業者のみなさん。
外国人介護人材についてどうお考えですか?

ベトナム出身の留学生、レーバン・ダットさん。23歳。
現在、トリニティカレッジ出雲医療福祉専門学校(以下、トリニティカレッジ)で介護福祉士を目指して勉強しながら、介護老人保健施設まんだ(以下、まんだ)でアルバイトとして勤務している。

来日して1年と4か月と思えない流暢な日本語こそが彼の真面目な性格と努力家であることを物語っている。

今、介護業界における人材不足を外国人の雇用により解消する取組はお聞きになられた方も多いと思う。
確かに理にかなってはいるが、窓口や、資格取得の難しさ等、現実的に課題がまだまだ多い。

まんだも慢性的な人材不足に悩んでいた。
給与面や入社に至るお祝い金を用意する等、採用条件を見直しても変化がない。
要するに人がいないのだ。

そこで外国人人材に目を向けた。
ハローワークや行政等に相談しつつ精力的に動いたが、こちらも成果が出ない日々。

そんな時、トリニティカレッジの仲介でダットさんと出会った。

日本の暮らしが私にはあっている(ダットさん)

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物静かな佇まいと優しい笑顔が特徴のダットさん。趣味はギターやピアノの楽器演奏。職場ではまだ腕前を披露していないとのこと。

『日本に来る前、ベトナムではおじいさんが経営している病院の手伝いをしていました。
ある時、家族会議で日本で医学か介護の勉強をしてみないか?という話になりました。
当時給料も安く、将来への不安もあったので、承諾。
トリニティカレッジのことを知り、勉強をするために日本にきました。

どうして出雲を選んだの?とよく言われますが、私は静かな場所が好きなのです。
出雲、とても良いところです。

日本人は知らない人にも優しいし、礼儀正しい文化があると思っています。
挨拶とか、笑顔とか 働き方も。
今は学校の寮に住んでいますが、安全で事件もないし、とても暮らしやすいです。

現在、介護の勉強と生活費のためにまんだでアルバイトとして働いています。
再来春の卒業後、そのまままんだに就職することが決まっています。

トリニティカレッジに入学して1年目は日本語学科で日本語を学びました。
2年になり今年と来年にわたり、介護福祉学科で介護福祉士を目指し勉強をしています。』

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勤務中のダットさん。周りも驚くほどの成長ぶりだ。

『1日1日があっという間に過ぎていきます。
平日は授業が16時に終わるので、それから電車で職場まで移動します。
土曜日、日曜日は朝から仕事です。
時間が空けば日本語や介護の勉強をしています。

まんだでは、職員の方も利用者さんも優しいです。
わからないことは周りの方が優しく教えてくれます。
この場面はこうするんだよとか、利用者さんの病気の名前とかわかりやすく説明してくれます。
困ったと感じることはあまりないですし、働きながら実践の介護を学ぶことができて嬉しいです。

仕事をする上で心掛けているのは、職員同士のコミュニケーションをしっかりととって、協力して仕事をするということです。
はじめは言葉がわからないこともあり、周りの方に連絡ができなかったのですが、今はだいぶんできるようになりました。

今の目標はまずは学校を卒業し、介護福祉士の資格を取得することです。
試験はかなり難しいけど、頑張ります。
利用者さんにも職員さんにも優しく話し優しく接することのできる、優しい介護福祉士になりたいです。』

取り組む姿勢から日本人も学ぶべきことが多くある(介護老人保健施設まんだ 川谷美佐子 介護部長)

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写真右が介護老人保健施設まんだの介護部長、川谷さん。ダットさんの成長を暖かく見守る。

本日はまんだの介護部長である川谷さんにもお話を伺いました。
川谷さんはダットさんの受入れと、国籍を超えた働きやすい環境づくりに尽力されました。

『ダットさんはコミュニケーション力が高く、表現力が豊かで、国籍の違いといった違和感がありません。
笑顔も素敵で、利用者さんからはすでに人気者。お孫さんを見るように目をキラキラさせておられます。

ダットさんと働くにあたり、職員の意識だけは気をつけました。
外国人だからといって特別視はせずに同じ働く仲間として受け入れてほしいとお願いしました。
きっちりと名前で呼んでほしいと。

はじめはダットさんにも職員にもコミュニケーションに関してのストレスがあったと思います。
伝えたいことが伝わらないというのは聞く方も話す方もジレンマがあり相当大変です。
でもそこはさすが介護福祉士。
仕事でも目や耳の不自由な方の介助を通じて、どうやったらうまく伝わるかを日々考え実践しているコミュニケーションの専門職。
不自由な環境を乗り越える術は持っている職員ばかりです。

彼の頑張りや笑顔を見ると、自分たちも学ぶことが多く、周りが少しずつ認めていったのです。
お互いが違いを認めた上で、互いに良い部分を尊重し合う。
良い関係が少しずつでき上がったと思います。』

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本日お話をお聞きした、ダットさん(写真中)川谷部長(写真右)金森さん(写真左)


未来へと一歩踏み出されたダットさんと介護老人保健施設まんだ。
外国人の方には全て日本語で行われる資格取得の壁が高いなど課題もまだまだ山積みだが、少しずつ改善されるという情報もある。

明るい未来の可能性のひとつが、少しずつ姿を現し始めました。

■関連リンク

社会福祉法人ほのぼの会

学校法人木村学園 トリニティカレッジ出雲医療福祉専門学校