介護人材の資質向上のため、市内の介護事業所で勤務する人を対象に、バーチャルリアリティ(VR)技術を用いて、認知症を疑似体験する研修会を開催しました。

 
日時  平成30年8月19日(日) 1回目14:00~15:30 2回目19:00~20:30
場所  出雲市役所 くにびき大ホール
参加者 1回目45人 2回目50人

講師  株式会社シルバーウッド 黒田麻衣子氏

VRゴーグル

VRゴーグルとヘッドホンをつける。視線を動かして、内容を選択する作業自体が新鮮。

私をどうするのですか?

立った状態で体験する1つ目のプログラム「私をどうするのですか?」は建物の屋上から降りるように促される体験。笑顔で大丈夫ですよと言われても、屋上から降りて大丈夫なわけはない。デイサービスに着いて、車から降りることができない方がこんな状態であることが分かっていたら、掛ける言葉や行動が違ってくるかもしれない。

ここはどこですか?

2つ目のプログラム「ここはどこですか?」は自分が降りる駅がわからなくなってしまう体験。不安なまま降りた駅で「ここはどこですか」と訊ねても、「出口はあちら」とそっけない態度をとられてしまう。当事者が何に困っているのかを考える必要がありそうだ。このプログラムで体験するのは、若年性認知症の丹野智文さん(写真中央)の実体験が元になっている。2回目の研修では丹野さん本人から話を聞くことができた。

レビー小体病現幻視編

3つの目プログラム「レビー小体病幻視編」では当事者の樋口直美さん監修により、いないはずの人、虫が現れたり消えたりする。こんな風に見えていたら、怖いだろうな、不安だろうなと共感した。

 

参加者の感想から

・自分の方から声かけや、相手の話を最後まできちんと聞くなど改善しようと思いました。

・認知症の方の見えている景色が一部でも見ることができて、ただ不安、怖いというのではなく、不安に思ったり、怖いを思うポイントは私たちと一緒だと思えた。

・寄り添う介護をしているつもりになっていた。利用者様が話せる環境と時間を作っていなかったと痛感しました。

・認知症になったら認知症であることを伝える勇気が必要。認知症の方に対して声かけする勇気。

・本人に聞くことが一番と分かりました。

・幻視が見えている方にあまりそのことを聞かない方がいいと思ったが、逆だったことに気付いた。

・幻視は近視、遠視、乱視と一緒だとの考え方を聞き、見方を変えることができた。