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この提案が本当に利用者のためになっているのか?という思いは常にある

介護ショップもちだの代表取締役として福祉用具プランナーとして提案・販売をしている原さん。
”この提案が本当に利用者のためになっているのか?”という思いを常にもち、福祉用具の提供という側面から介護職員の働きやすさ、利用者さんの快適な暮らしをサポートしている。

『大学では福祉系学部を勉強したが卒業後は福祉の道には進まずにアパレル業界で働いていました。
数年後、長男ということもあり、出雲に帰郷。
知り合いの紹介で介護施設で勤務しました。
介護士福祉士の資格は持っていなかったけどおむつの交換とか移乗とかそこで介護について学びました。
仕事は楽しかったが、利用者さんに対してしてあげられる事に制限が多くあり、理解はできるけれどもやもやした気持ちがありました。

そんな時に現在勤めている「介護ショップもちだ」との出会いがありました。
福祉用具という面から介護現場を支える事に魅力を感じて転職を決意。。
営業としてケアマネジャーや施設に提案営業をしつつ、福祉用具専門相談員の資格を取得しました。

この仕事の難しさは提案を通す事にあります。
福祉用具は売れたら売れた分だけ儲けになるから、利益も追求していかなければならない企業としては当然、利益率の高いものを売った方が良いはずです。
しかしそこで考えることはその利用者さんに対していちばん良いものは何か?ということ。
そこが一番難しいところで、 ”もっと安いものにしてくれよ”とか ”多分その機能は使いこなせないから”とか言われてしまう現実があります。
利用者さんにとっては使い勝手を考えた良いものでも導入までにハードルがいくつもある そこをどう提案していくか?
それは難しい一方、やりがいにダイレクトにつながる楽しい部分でもあります。
実はそこにアパレルの経験が活きていると思っています。
アパレルは服を見ますが、人をきちんと見て、その人に合うものはなにかを提案するのが仕事。
福祉用具も同じなんです。 』

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チームで咲かせた桜の可能性

『私ができるのは福祉用具の提供を通じた介護現場のサポート。
利用者さんとの関わりにおいては、ケアマネジャーや医療施設関係者、介護施設関係者とチームを組んで接するのですが、大きな可能性といいますか、心に残っている出来事があります。

ガンの末期の方がおられまして、在宅で看取りましょうという状況になっていました。
私は用具を宣伝するところから 医療スタッフの方と連携して”こうしたら動きやすいんじゃないか?”とか密に連携をとりながら関わらせていただいていました。
在宅医療の先生も入っておられて、状態がこういう風になってくるからといった早い段階でケアマネさんから情報が入ってきていたんです。
だから早め早めの用具の交換だとか、選定ができていました。

それから数ヶ月後の春に、ケアマネジャーさんから”○○さんにどうにかして桜をみせたい”という話が出てきたのです。
自宅のそばにある桜の木があったのですが、ベッド上で寝たきりの状態で 自分では出ることもできない。
チームで集まり実現の方法を考えました。
そして桜を見ることができた時の笑顔。
そばにいた奥様も嬉しくて泣いておられました。

その方は亡くなられたのですが、みんなで利用者さんにできた事、それは忘れられない体験です。』

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ノーリフティングケアをご存知ですか?
抱えあげない介護を普及させたい

『ノーリフティングケアってご存知ですか?
抱え上げない介護の事なのですが、その普及の推進にチカラを入れています。

身体硬直を無くすとも言えます。身体硬直は抱え上げるケアによって起きている二次障害です。
現在の介護は介護者側のタイミングで”せーの”で持ち上げるから利用者さんはどうしても身構えてしまいます。
やられる方は怖くなって緊張して、体に力が入って、その力が抜けなくなって。
その積み重なってくるとガチガチの体になってしまう。これが身体硬直のメカニズムです。
一度身体硬直になると中々もとには戻りません。

だからノーリフティングケア。
車椅子リフトや移乗ボードの導入は介護職員の軽減負担が語られることが多いですが、利用者さんの二次障害を防ぎましょうという重要な意味があります。

ノーリフティングケアを普及のために勉強会を開催しています。
ケア勉強会ANT.S 、fwc福祉人材育成パートナー、介護ショップもちだの3者による共同企画で、昨年はノーリフティングケア普及セミナー『2次障害をなくすために、わたしたちができること』を3回に分けて行いました。
介護施設の方も多くご参加いただき大盛況の中終了しました。。
来年度もすでに開催が決まっています。

そのセミナー活動自体はチームの皆が無償で行なっていますし、場所を提供してくれる介護施設さんも、商品を持ってきてくれるメーカーも、価値観があう方々がノーリフティングケアという同じ目的の基、一致団結しています。

希望を言えば、行政のサポートがほしいです。
有名なところでは高知県で、県が率先して抱え上げるなということを推奨しています。
でもそれを待っているわけにもいかないから僕らで動いているといったところです。
この活動が行政を動かし、バックアップが得られれば一気に普及は後押しされると思っています。』

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『2次障害をなくすために、わたしたちができること』で公演中の原さん。

■関連リンク

有限会社 介護ショップ もちだ