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出雲市東福町にある「さらさの家」は、小規模多機能ホームとグループホーム、2つの事業所を併設し、「ここちよく、ゆったりと、あなたらしく」を合言葉に、住みなれた地域でその人らしく暮らすことを支援し、積極的に施設内外で交流できる機会をつくり、地域に溶け込んだホームを目指している。
ここでは、広報紙やSNSで情報発信をしたり、敷地内の畑を一般開放するなど、日常的に地域との繋がりづくりを意識した取組を行っているそうだ。

今回は、サンキ・ウエルビィ出雲の永島真奈美さんがさらさの家を訪問し、利用者のみなさんが生き生き暮らせる支援や、地域との繋がりづくり、スタッフの士気を高め合う秘訣について施設長の舟木久美子さん、小規模多機能ホーム管理者の大島里香さん、介護職員の野津透さん、有田智里さんに話を伺った。

今回の出演者
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さらさの家
施設長
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さらさの家
管理者(小規模)
5
さらさの家
介護職員
4
さらさの家
介護職員
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サンキ・ウエルビィ出雲
施設長

それでは『さらさの家』の魅力発見!スタートです!

誰もが“ここちよく、ゆったりと、あなたらしく”できること

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建物の特徴として、2つの事業所が長い廊下で一直線に繋がっています。
施設内では利用者さんの行動を制限せず、廊下を自由に行き来して交流してもらっているほか、歩行訓練にも活用しているんですよ。
今日は昼食会の日で、利用者さんとお鍋の準備をしています。
みなさん料理が上手で熟練の包丁さばきを見せてくださいますよ。

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二つの施設を結ぶ長い廊下は、歩行のリハビリにも最適。

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普段の食事は全部こちらでつくられるのですか?

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基本的には全てここで調理スタッフが手づくりしていますが、今日みたいに利用者さんに準備を手伝っていただくこともあります。

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サンキ・ウエルビィ出雲では手づくりの料理の日は週に3回です。
こちらは朝昼晩と毎日手づくりされていて凄いですね。

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必ず月に数回は希望メニューを取り入れています。
季節の旬のものを味わい、好きなものを食べてもらえます。
聞くと必ず“ちらし寿司”をリクエストされる方もおられますが(笑)
お弁当の日もあり、スタッフが一緒に隣で食べて会話を楽しんでいます。

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いろいろな関わり方ができるし、賑やかに過ごせることは幸せですね。

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手づくりは結構大変だからやめようかと思った時もありましたが、ご自宅で料理の役割を失っている利用者さんも多く、そんな人がさらさの家に入所されたときは、料理の能力を発揮してもらおうと思って続けています。

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食事以外にも利用者さんが楽しめる行事を企画しています。
今年はコロナの影響でなかなか外出できなかったので、趣向を凝らし、施設の中で夏祭りや運動会を開催しました。

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結構みなさん負けず嫌いで、「負けるものか」と本気で盛り上がったよね。
「こんなに素早く動けたの?」って、驚きました。

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パン食い競争では、普段歩かない人も歩いたり!!

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競うって大事ですね!
普段と違う動きが出たりして、生き生きとされますよね。

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こちらはそんな様子を見て笑顔になります。
利用者さんとの交流は本当に癒されていて、介護の仕事やっていて良かったと思います。
また、私は仕事という感覚があまりなくて、休まず毎日でも来たいと思っています。

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利用者さんにはいつも笑顔でいて欲しいよね。
お家の方から「施設に入るしかないと思っていたけど、ここに通っているから家でも生活が続けられるよ」って言っていただけると、やった甲斐があるな、私たちの存在意義があるかなって思えますね。

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昼食会の用意の様子。とても賑やかで楽しそう。

地域に溶け込み、身近に感じられる場所を目指して

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玄関の前の見事な畑はさらさの家の畑ですか?

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私たち以外にも、地域の方に開放し使っていただいています。
農機具も自由に使えます。
みなさん結構本格的で、畑仕事を教えてくださったり、収穫した野菜を施設に分けてくださるのでスタッフみんな喜んでいますよ。

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さらさの家の前に広がる畑。綺麗に手入れされている。

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地域の方と農機具や畑を共有、発想が素晴らしいです。
交流も生まれてとてもいいですね。
そのほかに地域に向けて何かしておられますか?

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毎年秋に収穫祭を開催しています。
利用者さんと収穫したさつま芋で、遊びに来てくれた近隣の方や保育園の子どもたちに芋料理を振る舞うんですよ。

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いいですね~!
サンキ・ウエルビィ出雲でも毎年お祭りを開催し、地域の方と交流を大切にしています。
地元の店やハンドメイド作家さんたちに出店を呼びかけて、地域の方が気軽に参加できるよう工夫しています。
だんだんと地域の方にも定着して、来場者も増えました。

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地域交流はとても大切だと思っていて、普段の様子を知ってもらうために、開所と同時に「さらさの家からこんにちわ」という広報紙を発行したり、最近はFacebookページで日々の活動を発信しています。
ご家族の方にも安心してもらえるし、施設の雰囲気の良さがリアルに伝わるので、求人募集の呼びかけにも活用しているんですよ。

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いろいろな方法で幅広く地域交流や情報発信をされているんですね~。
すごく良いですね。

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士気を高め個性を発揮できる雰囲気づくり

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スタッフが明るくてとても元気ですよね。
どんな工夫をしていますか?

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自分が健康診断で気になることがあったのをきっかけに、スタッフにも体調管理に気を付けてもらおうと、体に良いドリンクを提供しています。
みんなそれなりの年齢ですから血糖値とか(笑)、若い子も脂肪が気になったりするので黒ウーロン茶、コーヒー、スポーツドリンク、お茶などを飲み放題にしています。

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すごい~、スタッフの健康を気遣ってそういった取組をされているんですね。
なにか他にスタッフのチームワークを高めるために行っていることはありますか?

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コミュニケーションアップやチームワークを良くする研修を自分たちで考えて取り組んでいます。

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職員がチームに分かれてインスタントラーメンを積み上げ、高さを競うゲームをします。
目標をどうやって達成するかアイディアを出し合い、失敗の改善点を見直すなど、ゲームにすることで楽しみながらチームワークを身に着けることができますね。

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勝ったらラーメンは差し上げます(笑)
忘年会の時や、職員会議の時間を使ったりしながら楽しく研修していますよ。

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こうした取組の際はもちろん、日々の業務の中でも、舟木さんと大島さんはスタッフの動きや利用者さんの様子など全体をよく見ておられて、良い時もダメな時もすぐに一声かけてくれます。
いつも気に掛けてもらっている安心感があるので、自然とモチベーションが上がります。

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相談しやすい良い環境で仕事させてもらっていますね。
スタッフの雰囲気が良いことは、利用者さんが落ち着いて穏やかに過ごせることにも繋がっていると思います。

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状況を見てアドバイスをするなどのサポートはしますが、今はこの若手二人の現場リーダーが中心となって活躍してくれているので、細かな指示を逐一出すことはせず、任せています。
経験年数が多くても、いつも正しいことを言えるわけではないと思うので、今後も二人がそれぞれに得意なことを伸ばしながら成長できるよう見守りたいと思います。

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舟木さんがみんなをうまく盛り上げながら、大島さんがしっかりみんなを支えて、若手が意欲的に働いているので、みんなが笑顔で明るい雰囲気なんですね!
舟木さんのカラーが強いのかな~?

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それはあるかもしれなーい!(笑)

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特別まとめようとは思っていないけど、施設長が沈むと施設全体が沈んでしまうので・・・
何があっても自分がテンションを下げないよう心がけています。
誰でも施設長になれるチャンスはあるので、若い人頑張って~!

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インタビュー中もとにかく賑やかで、笑い満載の会話がテンポよく飛び交う。
自然と笑顔を生み出し、一瞬で場の雰囲気を明るくする舟木さんの人柄こそが、チームの士気を高めていることを感じられる。

それぞれが向き合う介護への想いを知ることが、成長の糧になる

別の職種から転職という形で介護の道へ入った経歴をもつ舟木さん、大島さん、野津さん、有田さんの4人。それぞれの経験や介護への想いを語っていただいた。

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以前は、“介護は大変そう、介助とか無理”と暗いイメージを持っていました。
でも実習でこの施設を見学して、みなさんの明るさに驚きました。実際に働くなかで、利用者さんから“ありがとう”と言われると嬉しいですし、楽しくやりがいを感じています。
当時からは想像もできないです。

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私は調理師からの転身です。
実務者研修を受けたのち、資格を取得しました。
利用者さんから料理に関する昔ながらの知恵やレシピを教えてもらうことも多く、元気を頂いています。

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私は転職後、大きな病院の介護施設に就職しました。
働いたら結構楽しくて、意外と人のお世話が嫌いじゃない自分に気づきましたね。
この仕事が向いていたのだと思います。
結婚し一旦やめたけど、やっぱりこの仕事に魅力を感じ復帰しました。
実は妊娠中に介護福祉士の資格を取得しました。
“妊婦さんが実習に来たのは初めて!”と驚かれました。
今は管理職として事務的な業務もしながら、利用者さんとの交流も楽しんでいます。
おしゃべりしていると自然と笑顔になりますね。

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みなさんの様に働きながら勉強して取得されるってすごいと思います!
私は実習現場初日にお昼ご飯がのどを通らないほどショックを受けて、こんな仕事できない~って思ったこともあります。
でも最後の実習先の先輩の、利用者さんをいつも笑顔にされていて生き生きと働く姿がかっこよくて、いつか自分もあんな風になりたいと憧れるようになりました。
今自分がそうなっているかと言えば、まだまだですが(笑)
私たちって利用者さんの人生の最終段階に関わらせて頂く凄い仕事をしているなと。
今日この日を、今の時間をひとつひとつ大事に、という想いで接していますね。

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介護の仕事や施設の様子は、周りからは分かりにくく大変そうなイメージを持たれるかもしれないけど、実際は楽しいですよね。
実は介護施設で働くこと自体は、資格がなくても可能です。
そこから誰でも資格取得を目指せるので、興味があれば気軽に足を運んでもらい介護の魅力を感じてもらえたら嬉しいですね。

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こうやって施設同士でも交流して、お互いの空気感を知るのもいいですね。
外から自分の施設がどう見えるか、客観的にお互いの良い部分を確認できます。

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施設によって事業内容が違い、それぞれに特徴がありますね。
スタッフのタイプによってもグループホームに向いているな、小規模に向いているなって感覚も違うので普段と違う現場に研修にいくことは良いことですね。

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ほんとに勉強になりますね。
同じ施設内研修としても違う仕事を体験するだけでも日々凄い発見をしたり、スキルアップに繋がります。

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やりがいがある一方で、人手不足の問題や施設運営、業務改善には課題もあることを感じています。
また、施設長になったときに、この施設を利用したくても利用できない方もおられることを知り、“ここをこの場所に存続させ、守ること”が自分の使命だと思いました。
地域にこういった居場所があるってやっぱり大切だと思います。
色々改善点はありますが、これからもっと良くなるようにさらさの家を育てていくことが、私の仕事だと思います。

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ほんとすごいなあ。みなさんそれぞれに色々感じながら、考えてこの仕事に向き合っていますよね。
これからもお互いに介護の現場で頑張っていきましょう!
今日はとても参考になりました。
みなさん、ありがとうございました。

今回、違う現場で働く永島さんと介護を語る中で初心を振り返り、仕事のやりがいや「さらさの家がこの場所にあり続けることを守る」という使命を再確認したみなさん。
舟木さんを中心に互いを支え合う温かい絆がさらに強くなったのではないだろうか。

インタビューを終えて

『さらさの家』のいいとこ発見!いかがでしたでしょうか?
普段は違う職場同志だからこそ見える、日常にある自分達らしさ。そこに気づき、盛り上がった、そんな楽しい訪問となりました。
この対談が、出雲市内の介護施設や、介護職に従事される皆様方の日々の活動の参考や見直すきっかけになればと思います。

■関連リンク

さらさの家(株式会社建装)

サンキ・ウエルビィ 株式会社