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出雲市大社町にあるサンキ・ウエルビィ出雲は、小規模多機能センターとグループホーム、2つの事業所を併設し、地域交流を大切にしながら、利用者が安心して心地良く過ごせるよう、アットホームで心が通いあうサービス提供を心がけている。

サンキ・ウエルビィ出雲にはスタッフ同士が感謝を伝え合う独自の取り組みがあり、コミュニケーション向上やモチベーションアップ、明るい雰囲気づくりに繋がっているそうだ。

今回は、グループホーム・小規模多機能ホームさらさの家の施設長・舟木久美子さんが施設に訪問し、スタッフが意欲的に働く仕組みづくりや、地域に根付く活動について意見交換をしていただいた。

介護福祉士3年目の藤戸叶子さんのインタビューも併せて、施設の内外からサンキ・ウエルビィ出雲のいいとこ発見!

サンキ・ウエルビィ出雲の未来!
若いチカラ・発見!

介護福祉士 藤戸叶子さん
おばあちゃん友達の輪に囲まれて育ち、気づけば自然と介護の道へ

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サンキ・ウエルビィ グループホーム出雲に勤務し3年目の藤戸叶子さん(24歳)
出身は浜田市、高校卒業後は福山の大学で介護を学び国家資格を取得。
養成カリキュラム制度などの仕組みに魅力を感じて、サンキ・ウエルビィ出雲に就職した。

「入社後マンツーマンでチューターさんの指導を受け、養成カリキュラム制度でたくさんの知識を学べました。
インターン研修時に感じたスタッフの温かさやアットホームな雰囲気がとても印象的でした。
当時、広島で一人暮らしをしていた私には癒しでしかなく、ここに入りたいと強く思いました。」


-介護を目指すきっかけは大好きなおばあちゃんの存在が大きい。
おばあちゃん子だったという藤戸さん。
気づけばいつもおばあちゃんの友達の輪に混じっていたそう。

「とにかく可愛いがられました。
いつも一緒にいたので、おばあちゃんたちと接することは自然なことでした。
進路を考えた時、福祉の分野なら自分に向いているかもと思い介護福祉士を目指しました。」

実際に仕事でやりがいを感じることは何かを尋ねた。

「私がお世話する時に、利用者さんが心を開いてくれた様子が分かるととても嬉しいですね。
「かなちゃん」と声をかけてもらえることも嬉しくて、グループホームで暮らす利用者さんも“もう一つの家族”と思って過ごしています。」

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成長の種「だんだんレター」
いつも“ありがとう”を伝えあう職場

「いつも“ありがとう”が飛び交っている職場です。」と藤戸さん。

ここでは、スタッフ間で感謝の気持ちを日常的に伝えあう「だんだんレター」という取り組みを8年前から実施している。
勤務中に感じた感謝の気持ちを用紙に書き、ポストに入れるという取り組み。

「だんだんレター実行委員」が1週間から10日に一度集計し、月に一度のミーティング時に“もらった人”と“あげた人”の上位3人までを発表したり、もらって嬉しかった1枚をお披露目する時間を設けている。

「この取り組みがあったおかげで入社1年目の私でも、普段恥ずかしくて直接言えなかった感謝を伝えることができました。
だんだんレターをもらうことで新米の自分も誰かの役に立てているという実感も持てました。
仕事への意欲が沸き、モチベーション向上に繋がっていると思います。
有難いことに月40枚くらいもらい、結構1位をいただいています。
お互いの新たな一面を発見でき、確実にスタッフのコミュニケーションツールになっていますね。
今日入っているかな?と自分のポストを覗くのが待ち遠しいです。良いルーティンになっています。」

「本当に些細なことですが、通いの利用者さんが帰る際、忘れ物をしそうになり気づいた職員が連携して声をかけ防いだという出来事がありました。
それに関わったスタッフみんながそのことを“だんだんレター”に書いていたんです。
同じ出来事に関心を持てることに、チーム力の強さを感じました。
普段から気遣い、感謝し、次は誰かにお返しという行動が当たり前になっています。
忙しくてその場で言えないことも、文章で形にして伝えることで改めて優しさや思いやりに気づくことができ、記憶に残ります。
もらうと嬉しくて、自分も伝えたくなり自然とそれが連鎖して続いていくという感じです。
この連鎖が絆を深めることに繋がっていて、こういう雰囲気があるから離職率も低いのだと思います。」

サンキ・ウエルビィ出雲は、“柔らかく温かい笑いと活気”に溢れている。
元気よく大きな声で利用者さんやスタッフ同士で声掛けをする皆さん、見ていてとても安心できる空気感をまとっていた。

「季節を感じるテーマで貼り絵をつくるのですが、敬老会の貼り絵を任せてもらった時に最後に利用者さんの手形を押していくことを発案すると『すごいじゃ~ん!良く思いついたね!』とアイディアを褒めていただきました。
凄く嬉しくて、言ってよかった、やってよかったと思える出来事でした。
これもだんだんレターがあることで、職場の雰囲気が良いことが基盤にあるため積極的に発言や行動ができたのだと思います。
時には、もちろん厳しいアドバイスをいただくこともあります。
でも、風通しの良い職場なのでお互いに意見を伝えても後にはひかないですね。
受け止めてくれるという信頼関係があるので、とても安心して自分の感性を発揮することができます。」

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意見交換を頻繁に行うほどに職場の雰囲気が良くなる。

明るい雰囲気づくりができる人を目指します

笑顔で明るく話しやすい印象の藤戸さんだが、実は人見知りで人前に出ることが得意ではないと告白する。

「利用者さんには楽しく過ごして欲しいので、できるだけ大きな表現をし『凄い!できましたね!』と前向きに活動してもらえるような声掛けをしています。
でも本当は人見知りで、冗談も自然に言うのは苦手なんです。

去年からサブチューターを任せていただき、現在は新卒スタッフのサブチューターとして後輩を指導していく立場となりました。
利用者さんに居心地のいい空間づくりはもちろん、後輩たちも安心して楽しく働けるように、今よりもっと明るい雰囲気づくりができるようになりたいです。

介護は大変だねと言われることが多いですが、他の職業全てに言える事でどんな仕事も大変なことはあると思います。
基本的には楽しいという気持ちが勝っています。
やめるつもりはないですね、体力の限界を感じるまで引退しないと思いますよ!」

ハニカミながらも今後の意気込みを力強く語ってくれた笑顔が素敵な藤戸さん。
サンキ・ウエルビィ出雲で盛り上げ隊長といえば、「かなちゃん!」と呼ばれる日も近いかもしれない。

さらさの家の施設長・舟木久美子さんによる
サンキ・ウエルビィ出雲のいいとこ発見!

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地域交流を大切に、感謝の気持ちが循環する活動を続けています

今回の出演者
長島さん
サンキ・ウエルビィ出雲
施設長
藤戸さん
サンキ・ウエルビィ出雲
介護職員
舟木さん
さらさの家
施設長
長島さん

小規模多機能センターはお部屋が5つ、5名が宿泊できます。
こたつでくつろいだり、お風呂に入ったり、運動をしたり、思い思いに過ごして頂いていますよ。
当事業所は、認知症オレンジサポートカンパニーという認定を受けています。
日々の業務と調整しながら研修を受けるため職員への負担もありましたが、現在5名のキャラバンメイトが、地域の老人会などへ講師として出かけ、認知症に対して地域の方にも理解を深めていただく活動を行っています。
また、地域へ出かける活動として、2か月に1回・約1時間近隣の清掃活動もしています。通学路は特に、小学生の背丈まで伸びた草があると事故にもつながるので気を配っています。
朝の登校時間には、声掛けもできて子どもの安全を見守る活動にもなっています。

舟木さん

それは地域の方も喜ばれますね~。

 

長島さん

同じやるなら、“しっかり貢献できるような活動を”と思っています。
近所の方からから温かい声掛けをいただくこともあり嬉しいですね。

 

舟木さん

施設の前に畑がありますが、こちらは利用者さんと育てられていますか?

 

長島さん

はい、地域の方に畑を借りています。
主にスタッフがやっていますが、利用者さんにも手伝ってもらいます。
お味噌汁に入れたいから野菜とってきて、とお願いしたり。
大根の間引きをお願いした時は全部抜いてしまうというハプニングもありましたが、一緒に野菜づくりを楽しんでいます(笑)。
地域の方も手伝ってくださるのでとても助かっています。
さらさの家さんも畑をしておられますよね?

 

舟木さん

さらさの家でも畑をしています。
地域の方は知識もあり上手ですよね。

 

長島さん

利用者さんにとってもリハビリや役割を感じてもらうことに繋がりますし、地域交流にもなっていますね。
いつも地域の方に助けていただいているので、清掃活動などを通してお返しが出来ればと思っています。

 

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だんだん畑

スタッフ間の交流を活性化するために始めた「だんだんレター」

舟木さん

施設をみて感じたことは、“明るい”し“ちゃんとしているなあ”と感心しました!
独自で工夫されている取組があると伺いましたが詳しく教えていただけますか?

長島さん

施設長になり、2つの事業所をまとめる立場になったので、お互いにもっと交流を活性化させて一体感のある施設にしたいという想いがありました。
そのために考えたのが、スタッフ同士が感謝の気持ちを伝えあう「だんだんレター」です。
平成24年に始めて8年になり、月に200~300枚、年間だと3000枚以上の“ありがとう”を書いたレターが行き交っていますね。

 

舟木さん

すご~い!!
具体的にはどんなことをいつ書いて渡しますか?

 

長島さん

書くのは勤務が終わってからですね。
勤務中に気づいた嬉しかったことなどを書き、ポストに入れます。
実行委員会をつくっていて、月ごとに集計しミーティングの時にその内容を発表します。
もらって嬉しかった1枚を選び、その理由も添えて読み上げてみんなでシェアします!
もらった人・渡した人の上位3人発表するのですが、「ジャジャジャジャーン」って感じで結構毎回大盛り上がりですよ~。

 

舟木さん

え?
なんかもらえるの(笑)??

藤戸さん

いえ・・・
ないです。

長島さん

なんにももらえませ~ん(笑)

舟木さん

なんにも出ないんですね、豪華賞品が出たら面白いよね!
これを始める時に反対意見は出なかったのですか?

 

長島さん

意見を聞いたときは、「直接言えばいいのでは?」とか「もらえない人がでるのでは?」などマイナスな声も上がりました。
一方で意欲的なスタッフも多くて「とりあえずやってみよう!」となりました。
最初は書く人にムラがありましたが、もらうと嬉しくて、次は自分が書こう…ってどんどん連鎖していきました。
結局、最初心配していたようなことは起こりませんでしたね。

 

舟木さん

実は、さらさの家でも「スマイルカード」という同じような取組を試みようと思ったことがあります。
なかなか続けることは難しいと感じました。
ここまで続くってすごいと思います。
いいですね、このやり方を参考にして取り入れてみたいと思いました。

 

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話にも登場した『だんだんレター』。スタッフ同士の心のつながりを感じる活動の足跡。

だんだんレターは心のアルバム

長島さん

以前は書く内容が「〇〇してもらってありがとう」と伝える、単純な内容が多かったのですが、徐々に伝える内容が深くなっていますね。
スタッフ間の雰囲気も良いし、新卒や若手のスタッフにも「だんだんレター」があることで、いい影響があるかなと感じています。
藤戸さんはどう?

 

藤戸さん

入社から3年、今までもらった「だんだんレター」を全てノートに貼り大切に保管しています。
夜にちょっと読んで振り返ると、励みになります。

舟木さん

これをこんな風にとってあることが凄い!
性格出るよね~。

 

長島さん

私は封筒にまとめて残していたけど、こんな風に見やすく貼ってあるのは凄いと感心しました。
実は私も見習って9月からノートに貼り始めましたよ~。

 

舟木さん

これを見ると徐々に内容が変わって来ていることがわかるね。
見返すことで自分の成長もわかるよね~。

藤戸さん

おっしゃるとおり、自分でも成長を感じます。
以前、介助が上手くできたことを先輩に報告したことに対して「その嬉しい顔が見れてよかったよ」ってレターをいただきました。
読み返すとその場面が浮かび、当時の嬉しさを思い出すことができます。
写真のアルバムではなく、心のアルバムって感じですね。

 

長島さん

心のアルバム~!!
確かにね~!!
こんなに強く「だんだんレター」に支えられているという、想いを持って取り組んでくれてたんだね。

 

介護の仕事・使命に向き合う仲間として支え合う

長島さん

介護の仕事を始めたばかりの時はできない事に焦ったり悩んだり、落ち込んだり。
でも技術はあとからついてくる!
全て経験や数をこなせば大丈夫。
個人が技術を磨くだけじゃなく、介護はチームで繋げるということが大切ですよね。

舟木さん

確かに!
技術はあとからついてくる!
その通りだわ。

 

長島さん

事業所自己評価の中で出た意見をもとに、「聞いてない・知らないという言葉を使わないようにしよう、わからないことは積極的に聞こう」という言葉を唱和に加えました。
このおかげで、以前は言いがちだったネガティブな言葉も、意識的に言い方が変わりチーム全体の雰囲気も変わりましたね。
他人ごとにせず、自分も仲間も働きやすくなるにはどうしたら良いかを、ちょっとずつ改善して成長しながらチームでパワーアップしています。

 

舟木さん

今のほんとに“職場あるある”ですね。同じ管理職として、共感できる部分が多いです。
人の心が沈むと、事業所の空気も傾くことありますね。
でもそこを改善しないと離職原因にもなるので気を付けないといけませんね。
結果的に利用者さんへ良い影響が出ないし、迷惑をかけることになりますしね。
うちの事業所でも早速取り入れてみようと思いました。
私も施設長になった時に今までの考え方を変えましたね。
以前は技術や知識を重視していましたが、職場の雰囲気づくりを整えることにシフトしてきました。
やはり、だれもが雰囲気の良い職場で働きたいですもんね。
ここが明るく雰囲気の良いところなのは、永島さんがおられるからでしょうね!とっても元気でシャンとして、しっかりされてますもん。

 

藤戸さん

うんうん!

 

長島さん

いやあ、舟木さんこそ~。
でも、やっぱり仕事が楽しい!
根本的にみんなこの仕事が好きですよね。
厳しいことはもちろんあるけど。

藤戸さん

厳しいことも、言ってもらえるのは有難いことだと思い頑張っています(笑)

 

舟木さん

そうそう!言ってもらえるうちがいいよね!
お互いに頑張ろう。

今日はありがとうございました。とても参考になる話ばかりでした。
これからもお互いに行き来して、情報交換や取り組みをシェアしましょうね!

 


「“感謝の気持ち”を持ち続け、明るく笑顔があふれる職場づくりを目指します」
同じ使命を掲げ、エネルギッシュに働き介護の現場を盛り上げる3人。
インタビュー中も終始笑いが絶えなかった。これからもパワーアップを続け、利用者さんやスタッフがさらに居心地良く過ごせる空間をつくり出していくに違いない。
外部の視点から見えた施設の特徴が、両施設や出雲市の全施設にとっても、自分たちの良さに気づいたり、活動を見直すきっかけになればと思う。

次回予告

さて次回は、今回とは逆に、サンキ・ウエルビィ出雲の永島さんがさらさの家に訪問します。
どんなお話が聞けるのか?

ご期待ください!

■関連リンク

サンキ・ウエルビィ 株式会社

さらさの家(株式会社建装)