VOL.05『グループホーム萌』のいいとこ発見!
『グループホーム出東ララ』の施設長Uさんと介護支援専門員Aさんが『グループホーム萌』を訪問し、新たな魅力を発見します!
(前列)左から、グループホーム出東ララの介護支援専門員Aさんと施設長Uさん。(後列)左からグループホーム萌の介護職員Sさん、専務Sさん、介護職員Nさん、施設長Sさん。
グループホーム萌とは
出雲市斐川町学頭にある「グループホーム萌」は、認知症対応型共同生活介護事業所として「笑顔溢れる生活」を理念に、その方らしく自立した暮らしが送れるよう家庭的な環境づくりと地域の関わりを大切にした支援を心がけている。
今回こちらを訪れたのは、「グループホーム出東ララ」の施設長Uさんと介護支援専門員Aさん。
「グループホーム萌」の専務Sさんと介護職員Sさん、Nさんに施設を案内していただきながら、特徴的な設備や利用者さんの参加意欲を上手に引き出す取り組み、また職員一人ひとりの成長に合わせた研修体制などについてお話を伺った。
それでは『グループホーム萌』のいいとこ発見!
温泉が利用者さんと家族、地域を繋ぐ「癒しと交流の場」に
当施設の特徴として、まずご紹介したいのは日本三大美人の湯の一つとしても有名な「湯の川温泉」の湯を引く岩風呂です。 |
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造りがとても素敵で、お庭を眺めながらゆっくり体を癒せて気持ち良さそうです。 | |
皆さんに好評で、遠方から来られるご家族さんにも喜ばれています。 |
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それは知りませんでした! |
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また岩風呂とは別の浴室からも温泉が出ます。 さらに、「美人の湯」というだけあってお湯の性質が良いようで、白髪が黒髪になられた方もおられるんですよ。 |
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それはすごいですね~! |
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この地域では温泉が日課だった方も多いので、こうやって施設でも今までと変わらず暮らしの楽しみを継続ができ、地域交流の支援ができることも、ここの立地を活かした利点だと思っています。 |
「グループホーム萌」の最大の特徴は岩風呂の温泉があること。
住み慣れた地域で、その方らしく自立した暮らしを継続
こちらでは、農業をされていた方が多いこともあって、敷地内の農園には畑だけでなく田植えや稲刈りができるよう田んぼもつくっています。 |
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凄いですね! この発想は思いつきませんでした。 作業は皆さんでされるんですか? |
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はい、通常の田んぼよりも高くして、柵もあるので車いすの方でも楽に作業ができます。 |
施設の農園では季節の野菜づくりも楽しまれている。玄関には収穫したばかりの見事な野菜が並んでいた。綺麗に手入れがされ、草一つない畑は利用者さんたちの手で管理されているのだそう。
さらに、建物をご紹介していただきました
建物は2階建てで各階を1ユニットとし、それぞれに9つの部屋を設けて最大18名の利用者さんが共同生活を行っています。 |
各階には1部屋ずつ、洋室と和室がセットになった特別室も設置。ゆったりと寛げる広さがあるので、夫婦での入居にも対応が可能となっている。
どの部屋も窓が大きく明るいですね。 |
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こちらは、お出かけや行事の度に撮影した写真から、笑顔の素敵なベストショットを選んで飾っています。 |
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これはいいアイディアですね! |
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そう感じていただいて嬉しいです。こちらでは、あえてテレビをつけていないんですよ。これによって利用者さんとのコミュニケーションを大事にできますし、雑音が無いことで集中力が高まるのか、ここに入るまでは耳が聞こえないと言われていたのに、聞こえるようになった方もおられます。 |
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それは凄いですね。 |
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身体の状態にもよりますが、足腰も鍛えられるので可能な限り階段を使っていただきます。 |
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健康的でとても良いですね。 |
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2階も基本的には1階と同じ造りですが、実はこちらに理美容室があるんですよ。 |
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これは嬉しいですね。私たちもそうですが、髪が綺麗だと気持ちも明るくなりますよね。 |
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はい、こちらも開設当初から設置している手作りポストです。 |
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これもまた趣向を凝らした素敵なアイテムですね! |
自己決定を大切に、意欲を引き出す発想豊かな工夫
普段の取り組みや関わり方で大事にされていることはありますか? |
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私たちは理念にも掲げている通り、利用者さんに笑顔溢れる生活を送って欲しいと願っています。 |
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それはとても大事なポイントですね。 |
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普段の生活や作業もですが、レクリエーションへの参加も強制ではなく意欲的に参加してもらえるよう工夫しています。 |
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例えば、実際は定員数に縛りが無くてもあえて先着順にしたり、参加無料という表記を強調して特別感を演出しています。 |
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なるほど、確かにこれはつい参加したくなりますね。 |
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「今月は何があるかな?」と楽しみにされたり、一緒に参加する方同士で会話が弾んだり。 |
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この発想は、ぜひ参考にしたいと思いました。 |
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特に企画担当は決めておらず、職員たちが自発的にやってくれています。 |
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色々な企画を考えますが、研修で学んだことからヒントを得ることもあって、思いついたらすぐに企画書をつくって提案します。 |
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私は物づくりを通して利用者さんと接することが好きなので、夏はうちわづくり、年末は門松をつくるなど季節を感じられる企画を考えています。 |
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こういった他の施設の取り組みを知ることは、とても参考になりますね。 |
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アイディアも素晴らしいですが、担当制ではなく自発的に取り組んでおられることにも感心しました。年代も様々な職員が、考えを共有して物事に向かうのはエネルギーが必要なこともありますが、私たちももっと色々なアイディアを出し合って企画をしてみたいと思いました。 |
一人ひとりに寄り添ったスキルアップを大切にする振り返り研修
皆さん積極的に取り組んでおられますが、こちらではどのように職員研修をされていますか? |
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ここでは定期的に面談を設けて、普段から考えや意見を確認できる環境づくりを大切にしています。 |
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職員一人ひとりに対して必要な研修を考えてくださるので、翌日からすぐに活かすことができます。 |
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忙しく日々業務を繰り返すだけでは、なかなか自分で仕事を振り返る時間は取れません。 |
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現場にいると、「これでいいのか?」自分を見失う時もありますよね。 |
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ただ、ここまで来るには時間がかかりました。 |
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特に新入職員は不安も大きいと思いますが、どんなサポートをされていますか? |
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入って1ヶ月間は交換日記を使って1日の振り返りや、質問や不安なことを記入し、それに対して私がアドバイスを書くという形で業務を見守ります。 |
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実際に新人の時にやってみてどう感じましたか? |
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言葉だと上手く伝えられないこともあるので、文章でのやり取りはすごく助かりました。 |
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とても良いサポートをされていますね。 |
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不安や悩みは早めに解消し、意欲的に取り組んでもらいたいと思っています。 |
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面談を繰り返す度に改善点の再認識ができるので、明確な目標が立てやすく意欲的に取り組むことが出来ています。 |
座談会でも話題となった交換日記
幅広く発信できるInstagramでPRの効果を実感
グループホーム萌では、2022年7月からInstagramを活用した情報発信にも力を入れていて、週に2~3回の頻度で施設の行事や生活の様子を発信しています。 |
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ホームページでも情報発信をしておられますが、Instagramを活用するメリットはなんですか? |
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Instagramでは写真だけでなく動画も気軽にアップできるので、ホームページとは違った、タイムリーな情報や日常のリアルな雰囲気をお届けすることができます。 |
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また、介護以外の方にも関心を持ってもらえるように旬な話題を入れた文章を考えたり、ハッシュタグも工夫して広がりを意識した投稿を心がけています。 |
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実はInstagramを始めたことで、情報を発信するだけでなく、私たちも色々な情報が得られたり、全国の介護施設や他業種の方々とも繋がることができました。 |
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たくさんのメリットがあり、実際に採用にも繋がった成果があるというのは魅力的ですね。 |
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そうですね。 |
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お話を伺って、幅広い方に情報を発信でき関心を持ってもらえることが素晴らしいと思いました。 |
それぞれが自身を見つめ、思いを新たに介護への意気込みを誓う
最後にグループホーム萌の施設長Sさんも交えて、今回の会で感じたことを振り返ってもらった。
今回はたくさんのお話を聞かせていただきありがとうございました。 |
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こちらこそありがとうございました。 |
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Sさんは以前から勉強熱心な方だと思っていましたが、やはり素晴らしい方で、職員の皆さんから頼りにされている様子が伝わりました。 |
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そんな風に言っていただけると嬉しいですね。 |
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私も今回の会は振り返りの時間になりました。 |
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私は、最初にUさんから「静かな時が流れていて利用者さんが穏やかに過ごされている」と、言葉をいただけたことが介護職員として非常に嬉しく思いました。 |
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施設長である母がここを立ち上げて20年目を迎えましたが、この先も10年20年続けていきたいという想いが私のモチベーションになっています。 |
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今日は皆さん貴重なお時間をありがとうございました。 |
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この土地で福祉事業をしていくという覚悟と勇気、心ざまを見せていただきました。 |
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ありがとうございます。 |
座談会を終えて
『グループホーム萌』のいいとこ発見!いかがだったでしょうか?
地域に根付き、利用者さんファーストな取り組みが盛りだくさんでしたが、今回訪問したお二人と共に、グループホーム萌の皆さんも、たくさんの振り返りから新たな課題を見つけ出直すことができたようです。
そして、グループホーム出東ララのお二人は多くの気づきをお土産に持ち帰り、さらなる施設のパワーアップに繋げていかれることでしょう。